健康保険料は通常、サラリーマンなら給料から自動的に引かれるため、あまり意識することはありません。
しかし、会社を辞めて無職になった場合、国民健康保険(国保)への加入が必要になることがほとんどです。
今回は、無職の人が支払う国民健康保険料の目安や、免除や減額の方法について詳しく解説します。
国民健康保険とは?
まず、国民健康保険について簡単に説明します。
国民健康保険(国保)とは、自営業者や退職者、無職の人などが加入する公的な健康保険制度です。これは、全国の市区町村が運営しており、地域によって保険料が異なります。
一般的に、以下の人が国保に加入します。
- 自営業者
- 退職した人(無職の人)
- フリーランス
- 学生(親の扶養から外れた場合)
会社勤めの人は、「全国健康保険協会(協会けんぽ)」や「健康保険組合」などに加入するため、退職後は国保に切り替えるか、別の方法を検討する必要があります。
無職の人の国民健康保険料はいくら?
国民健康保険料は、住んでいる自治体や前年の所得によって異なります。
一般的に、無職の人でも前年の収入がある場合は、それに基づいて保険料が計算されるため、意外と高額になることがあります。
例えば、
- 前年の所得が300万円の場合 → 月額約30,000~50,000円
- 前年の所得が100万円以下の場合 → 月額約5,000~15,000円
- 前年無収入の場合 → 月額約3,000~10,000円
市町村によっても差があるため、具体的な金額は住んでいる地域の役所に確認するのが確実です。
退職後すぐに国保へ加入すると高額になる理由
国保の保険料は前年の所得に基づいて計算されるため、退職したばかりの人は「前年の収入」が基準になります。
そのため、会社を辞めたばかりの人が国保に加入すると、前年の給与所得に応じた高額な保険料が請求されることになります。
国民健康保険料を免除・軽減する方法
1. 所得が減少した場合の減額措置
退職して無収入になった場合、市区町村によっては国保の「減免制度」を利用できる可能性があります。
多くの自治体では、「前年の所得に比べて大幅に収入が減少した場合」に減免措置が適用されます。
申請が必要な場合が多いので、役所の窓口で確認しましょう。
2. 非自発的離職者の軽減措置
会社都合(リストラ、倒産など)で退職した人は、「非自発的離職者軽減制度」によって、前年所得の30%を基準として保険料が計算されます。
この制度を利用すると、国保の負担が大幅に軽減されるため、該当する場合は必ず申請しましょう。
3. 親や配偶者の健康保険に扶養として加入する
最も費用を抑える方法の一つが、親や配偶者(または子供)の健康保険に扶養として加入することです。
扶養に入ることで、健康保険料を支払う必要がなくなります。
扶養に入る条件として、年間所得が130万円未満(60歳以上は180万円未満)であることが一般的です。
4. 任意継続被保険者制度を利用する
退職後すぐに国保へ加入するのではなく、退職前の健康保険を継続する「任意継続被保険者制度」を利用するのも一つの方法です。
任意継続のメリット
- 国保よりも保険料が安くなる可能性がある
- 会社員時代と同じ健康保険が利用できる
任意継続のデメリット
- 保険料は全額自己負担(会社が負担していた分も支払う必要があるため、一般的に給与時の2倍程度になる)
- 退職後20日以内に申請が必要
- 途中でやめることができない(最大2年間)
特に、退職後すぐに再就職の予定がない場合は、国保と任意継続のどちらが得かを比較し、選択することをおすすめします。
国民健康保険料を滞納するとどうなる?
健康保険料を滞納すると、以下のようなデメリットがあります。
- 延滞金の発生
- 1ヶ月以内の滞納 → 年4.3%
- 1ヶ月以上の滞納 → 年14.6%
- 保険証の制限
- 長期間滞納すると「短期保険証(有効期間が短い)」や「資格証明書(全額自己負担)」に切り替えられる
- 財産の差し押さえの可能性
- 滞納が続くと、預金口座や給与の差し押さえが行われることもある
滞納を防ぐためには、役所で減免制度を相談したり、分割払いの申請をすることが重要です。
まとめ
無職になった場合、国民健康保険の保険料は意外と高額になることがあります。
しかし、以下の方法で負担を軽減することが可能です。
✅ 非自発的離職者の軽減制度を利用する(リストラなどで退職した場合)
✅ 親や配偶者の扶養に入る
✅ 任意継続を利用する(会社の健康保険を最大2年間継続可能)
✅ 役所で減免申請をする(前年所得と比べて大幅に減った場合)
国保に加入する前に、これらの選択肢を検討し、できるだけ保険料の負担を減らしましょう。
基本的には、国民健康保険は自営業の方の為のものなので
会社を退職した際の健康保険は任意継続がお勧めです。
その後、自営或いは会社を設立する若しくは再就職を選ぶかは
あなたの自由ですがまずは、国民健康保険と任意継続を比べてみて安い方で良いと思います。
大事な人生なので、しっかりと考えたいですね^^
健康保険は生活に欠かせない制度なので、適切な方法で加入し、安心して生活できるようにしましょう!
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