死は、何人も避ける事の出来ないものです。
お金持ちでも貧乏人でも、
総理大臣でも乞食でも、
身体が丈夫な人も貧弱なな人も、
必ず、死は訪れます。
死ぬ瞬間、一般的には苦しいと思われていますが、
実際は、どうなのでしょうか?
今日は、
「死 の直前の症状」についてです。
★死 の直前の症状
人は、死んでゆくとき以下のようになります。
1・人はどんなふうに死んでゆくのか
死に至る経過は人それぞれですが、
おおむね、次の3つに分類されます。
・比較的に長い期間機能が保たれ、最後の方で(約2か月間)急速に機能が低下するタイプ。
※代表例 がん
・急性増悪を繰り返し、徐々に機能が低下し最後は急な経過。
※代表例 肺疾患や心疾患
・機能が低下した状態が長く続き、ゆっくりと徐々により機能が低下して行くタイプ。
※代表例 認知症や老衰
死というと、テレビや映画で見たり事故死等の健康な状態から
突然死に至ると言うイメージを抱いている人が多いかも知れませんが、
そのようなケースは、それほど多くは有りません。
死の経過の3分類に見られるように、
疾患によって死に至る経過は大きく異なります。
最後の2ヶ月に急速に機能が衰えるがん型も、
そのがんの種類や医療によって個人差もかなり有ります。
なので、
「人は必ずこう死んでいく」
と断言する事は難しく、
100人いれば100通りの経過が有ると言えます。
2・余命
残りの余命が数週間ぐらいに成ると、
全身がだるく感じ始め、むくみがひどく成ってきます。
この全身のだるさは、普通のだるさと違い何とも言い難いもので、
普通の疲労感とは全然異なるものです。
食欲不振も強く成り、どんなに栄養を取っても
改善する事は、ほぼありません。
その為、治る病気の人にするような治療を続けると、
反って患者さんが苦しむ結果と成り逆に、
余命を短縮してしまう結果となるので注意が必要です。
さらに進み、
余命数日ともなると、多種多様な症状が出現します。
症状としては個人差は有りますが、
寝ている時間が増え、さらに体力が低下していきます。
これは、患者さんが無意識に行っている事で、
ようするに、起きていると身の置き所が無いほどのだるさを感じる為、
寝ている時間が増えるという事だそうです。
中には、だるくて眠れない患者さんもいますが、
その場合は合意のもとで、
眠くなる、鎮静剤を使用します。
ただこれは、正しく使用しないと逆に命を縮める為、
注意が必要です。
余命が24時間~48時間以内になると、
正に、「最後のヤマで」で、
この時期がもっとも苦痛(だるさ)が強いようです。
この時期は、鎮静剤が必要となる事が多く、
簡単には死ねないんだと痛感させられる時間でも有ります。
患者さんも辛いと思うと同時に、
見ている家族も辛い時間です。
ですが、ここを乗り越えれば多くの場合、
最後は、穏やかな時間が待っていますが、
個人差は残念ながら有るそうです。
余命数時間になると、必要な患者さんに鎮静をしっかりと
行っていれば或いは使わなくても自然に、
意識は無く、昏睡状態に移行します。
この状態の時は、患者さんにはほとんど苦痛は無いそうです。
仮に苦痛が有れば身体を動かしたりします。
たんが絡んでいるような表情や、
呼吸が荒くても、患者さんには苦痛は無いので、
管理人も経験が有りますがこの時、
変に慌てて、お医者さんを責めたりしないようにして下さい。
ただし聴覚は最後まで保ってる可能性が高いので、
この段階でのデリカシーの無い話は絶対に止めて下さい。
これも個人差が有りますが、患者さんは最後の瞬間まで
聴覚は保たれるとお考えください。
そしていよいよ最後は、急に呼吸の仕方が変化し、
下あごを突き出すような呼吸(下顎呼吸)となり
数分から数十分で呼吸が停止し、呼吸停止後数分で、
心臓が停止します。
3・いつまで意識がしっかりしているのか
「いつまで意識がしっかりしているのか」
これはなかなか難しい質問だそうです。
余命数週間に成ると、体力の低下や機能の低下などから
時間や場所の感覚が曖昧に成り、混乱状態に成る事もしばしば有ります。
なので、
本当に意識がしっかりした状態と言うのは
一般的に、余命数週間以上であると考えられます。
しかし、
必ずしもそうとは言い切れず、先にも書きましたが
特に聴覚は相当後まで保たれる事も多々有ります。
その為、
患者さんの意識には、こちらの呼びかけが届いていると考えられます。
結論として、しっかりはしてないが
意識はそれなりに、最後まで保たれると考えて良いでしょう。
4・死の直前は苦しいのか
ここまで書くと当然、次のような疑問が出ますよね。
「意識がそれなりに保たれるなら、死の直前は強い苦しみがあるのか?」
確かに、家族から見ると苦しそうに見える事も有りますが、
実際はほとんどの場合、夢を見ているような状態となり
苦痛は無いそうです。
中には、顔をしかめたりして手足を動かす場合も有りますが、
そんな場合は勿論苦しい可能性も有ります。
けれども多くの場合、直ぐに元に戻る事が多く、
苦しみからは解放されていると思って良いでしょう。
一般的には、苦痛を自覚する感覚は自然に失われ、
眠っているような状態と成る事で、
苦痛を回避していると思われます。